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俺乃アメショ

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さて、ベルカの感想を<2006.10.23>
2006年 10月 22日 |
qoo-manaさんにご紹介いただいた『ベルカ吠えないのか』を1週間かけて、先週読み終えました。


ご存知のない方のために簡単に筋をご説明しますと・・・

第2次大戦中に日本軍に飼われていた軍用犬4匹の血筋を、その後の米ソ冷戦時代を経て現代まで続いている戦争の歴史を絡めて追っていくストーリーです。
犬は人間社会に余りにも順応できる性質であるためか、翻弄され続ける運命を宿しているようです。
犬は『うぉん』と鳴く。各章の文頭は、『犬よ、今どこにいる』という書き出しからはじまったりする独特の文体で、多少ハードボイルド的な展開があります。20世紀は戦争の世紀であると同時に軍用犬の世紀でもあるという見出しがついていて、どことなくカッコいい感じの読み物です。男性が好むタイプのロマンがあるように思います。

題名のベルカはどこで現れるのだろうと思いつつ読み進んでいきましたら、ようやく出てきました。3分の1以上読み過ごした後だったでしょうか?その間何千匹もの子孫が生まれては、世界のどこかで、戦場で、人と係わり数奇な運命をたどる犬達を追っていきます。

冷戦時代に米ソがしのぎを削った、軍事開発の一端に宇宙開発もありました。先んじてソ連がスプートニング1号の打ち上げに成功し、それに気をよくしてスプートニング2号を発射します。そこに初の動物を搭乗させたのが犬、名前が『ベルカ』でした。

その頃のスプートニング2号の能力では、無事地球に帰還出来ることは考えられていなかったため、『ベルカ』にとっては孤独な死の旅であったわけです。
大気圏突入で、宇宙の藻屑と化したとされていた、スプートニングは、実は地球に落下していたという設定です。

当時、ソ連で犬の特殊部隊を指揮していた老人が『ベルカ』の遺骸の一部である頭蓋骨を保持し続けています。
この辺の成り行きとか、関係が私には今一分からなかったのですが(一揆に読めなかったせいか、ストーリー展開についていけてない)老人は戦争を生き、国に裏切られていきます。
そして人間世界の中で翻弄された犬(動物)の象徴が『ベルカ』です。

『ベルカ』は、日本軍が置き去りにした4匹の犬の末裔とも血統が交差しており、ベルカの子孫の中から従順で凶暴な軍事ロボットとして優秀な犬がこの名前を継承していきます。(この辺どうだったかな?少しちがってますか?)

人間であることを心の中で拒否していく不思議な少女が老人から『ベルカ』の頭蓋骨が入った地球儀を譲り受け、ベルカの名前を継承した犬を連れてその後の人生を送ることになる、と云うところまでが書かれています。



・・・こんな感じでした。

作者は犬を何処かで解き放ちたかったのでしょう。
しかし最後までそれはなされることはありませんでした。少女はまだ12歳、老人の残した遺産が無ければ生きてはいけないことをきちんと説明しているところが面白おかしく感じました。

野生に戻ろうとする本能と、既に野生ではなくなっている犬の歴史が嫌がおうにも圧し掛かってくるのでしょうか。既に通り過ぎた歴史は後戻り出来ないことと同じだと思いました。
この地上での自然破壊は、人間が畑を作ったときから始まっているという方もいらっしゃいます。破壊され続けたこの世の中において本当に野生というのは残っているのでしょうか?


さて、ベルカの感想を<2006.10.23>_f0043859_0204018.jpg

ZZZ・・・
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